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リコーダー

リコーダー(英:recorder)はエアーリード(無簧)の木管楽器。日本語では主に古楽(バロック音楽)の領域において、ドイツ名のブロックフレーテ(Blockflöte)で呼ばれることもある。同じエアーリードである現代のフルートが横笛であるのに対し、縦笛である。

フィップル(歌口の一種)と呼ばれる構造を持つため、奏者が自らの口形によって吹き込む空気の束を調整をしなければならない横笛に対し、空気の束が一定に保たれ、吹奏が比較的に容易であり、また構造もシンプルで安価に量産できるため、教育楽器として多用されるようになった。

なお、リコーダーの名は「記録するもの」(recorder) の意で、小鳥の声を模して演奏する習慣があったためという。

音孔の開け方にはバロック式とジャーマン式の2種がある。バロック式は古くからある正統の運指で、ジャーマン式は20世紀はじめ、ハ長調の運指が少し容易になるようにドイツでもっぱら教育用に開発されたものである。このため日本でも公教育に取り入れている。しかし、ジャーマン式はハ長調音階以外の音(シャープやフラットつきの音)を出すのが困難なのと高音域を安定して発音できないため、初心者に使われるだけで他ではほとんど使われない。

様々な長さの楽器があるが、移調楽器としては扱われない。ただし、音域の高い楽器では1オクターブ低く書かれることがある。

リコーダーの音域は、ジャーマン式の場合は楽器の最低音から2オクターブ強、バロック式の場合には個々の楽器によって異なるが、運指を工夫することによって約3オクターブの音を出すことができる。

リコーダーの歴史 [編集]
西ヨーロッパでは中世から存在が知られ、ルネサンス音楽頃には盛んに用いられていた。

バロック期までは単にフルートと言った場合、フラウト・ドルチェ(伊)、英語ではリコーダー(バロック期では特にアルトリコーダー)のことを指し、現在のフルートの原型である横笛はフラウト・トラヴェルソ(横に持ち替えたフルート)と呼ばれた。

バロック期前半の17世紀には現在用いられるものとほぼ同じ形に完成された。同時代には古典音楽において重要な楽器となり、ソナタや協奏曲の独奏楽器として、また管弦楽群の合奏楽器として、数々の名曲が作られた。テレマンが自ら得意に演奏したことでも知られる。

しかし、音量が小さいこと、また音量の強弱がそのままピッチに影響すること、発音が容易であることの裏返しとして音色の表情をつけにくいこともあり、バロック期後半の18世紀頃からは次第にフラウト・トラヴェルソに主流の座を譲り、古典派音楽に至っては全く顧みられなくなった。

20世紀初頭になり、古楽復興運動の中でイギリスのアーノルド・ドルメッチが復元し、古楽演奏の場面ではフランス・ブリュッヘンらの努力により過去の奏法が再現、研究された。古楽では欠かせない楽器だが、現代音楽での使用も多い。古楽奏者としてのリコーダー奏者の中には、フラウト・トラヴェルソあるいはツィンク奏者を兼ねるものが多い。

生産が簡易なことと、初心者でもなんとか音を出すことは容易であるため、ドイツや日本において多少の改造の上、教育用の簡易楽器として普及した。日本においては、一般的に学校教育における使用のイメージが根強い。

吹奏楽や古典派以降のオーケストラで使用されることはほとんどない。

リコーダーの種類(ドルメッチュ社の呼称に基づく) [編集]
現在は主にF管とC管で、音域の高い方から、

ガークライン(クライネソプラニーノ)・リコーダー(C管) - ソプラノ・リコーダーより1オクターブ高い
ソプラニーノ・リコーダー(F管) - アルト・リコーダーより1オクターブ高い
ソプラノ・リコーダー(ディスカント)(C管) - テナー・リコーダーより1オクターブ高い
アルト・リコーダー(トレブル)(F管) - 最低音は中央ハの上のヘ音
テナー・リコーダー(テノール)(C管) - 最低音は中央ハ
バス・リコーダー(F管) - アルト・リコーダーより1オクターブ低い
グレートバス・リコーダー(C管) - テナー・リコーダーより1オクターブ低い
コントラバス・リコーダー(F管) - バス・リコーダーより1オクターブ低い
サブ・コントラバス・リコーダー(C管) - グレートバス・リコーダーより1オクターブ低い 
サブ・サブ・コントラバス・リコーダー(F管) - コントラバス・リコーダーより1オクターブ低い 
がある。このほかに、ヴォイスフルート(D管、最低音は中央ハのすぐ上のニ音、フラウト・トラヴェルソと同音域)がある。また、G管やB管等も存在した。

多くの場合、テナー・リコーダーから下の楽器には音穴を押さえるためのキーが装備される。

ソプラノ、アルト、テナー、バスの4本による四重奏曲は、バロック以前の時代にポピュラーで、数多くの作品が残されている。バロック期では特にアルト・リコーダーが代表的であった。

材質として教育用には大量生産が可能なプラスチック(ABS樹脂)製のものが用いられるが、本来は基本的に木製である。主な使用材としてはメープル、洋梨、つげなど材質の比較的柔らかいものから、紫檀や黒檀のような堅い素材までさまざまなものが用いられる。素材の材質と音質との関連が高く、柔らかな素材のリコーダーは上述のアンサンブル用として、また堅い素材のものは主として独奏用に用いられることが多い。なお、現在よく見られるプラスチック製の製品で、黒地に白のアクセントを付けたデザインは、黒檀材の管に象牙の部品を用いたバロック期後半の一形式をモデルにしたものである。

リコーダーの作品 [編集]
J.S.バッハ
ブランデンブルク協奏曲第2番、第4番
テレマン
リコーダーと管弦楽のための組曲イ短調
2つのフルートとリコーダーと通奏低音のための四重奏曲
リコーダーとフルートと通奏低音のための協奏曲ホ短調
クヴァンツ
リコーダーとフルートと通奏低音のためのトリオソナタ
ヴィヴァルディ
リコーダーとオーケストラのための協奏曲ハ長調、同ハ短調
リコーダー(フルート)協奏曲集(『夜』、『ごしきひわ』他)
ソプラニーノ・リコーダー(ピッコロ)協奏曲集
ヘンデル
リコーダーと通奏低音のためのソナタハ長調、同イ短調
ヘンリー・パーセル
3つのリコーダーと通奏低音のためのシャコンヌ

日本の音楽教育での活用 [編集]
日本の小学校の音楽の時間では、ソプラノ・リコーダーが定番である。1・2年生の音楽の時間では、まだリコーダーは用いられず、ハーモニカか鍵盤ハーモニカが中心であるが、2・3年生からは、歌唱とともにリコーダーの演奏も導入される。高学年では、鼓笛が行われる場合もある。

中学校の音楽教育では、アルト・リコーダーが使われる事もある。以上述べられている事には、地域差がある。また、学習指導要領に記載の範囲内で、各学校の特色や音楽専科の教諭の方針などによっても、歌唱とリコーダーその他の楽器の扱いに軽重は出てくる。

前述のように、日本の初等教育現場ではジャーマン式運指のリコーダーがバロック式に比べて圧倒的に多く使われている(ヤマハの推計によれば80%がジャーマン式)。これは、ジャーマン式のほうが(ハ長調音階の)最初の1オクターブの運指が単純・規則的なことがもっぱらの理由であるが、ジャーマン式ではハ長調音階以外の音および高音域の音が出しづらく、プロの演奏者やアマチュアの愛好家は事実上バロック式のみを用い、ジャーマン式は皆無といってもよい。ジャーマン式の運指が単純といっても、バロック式が格別難しいわけではなく、いったん覚えてしまえば両運指方法の間に優劣はないといってもよく、些細な「容易さ」のために発展性を犠牲にしたことに対する批判も多い。最初からバロック式を採用したり、5年次でアルトを導入する小学校もある。

リコーダーは、プラスチック製のものが1000円台から市販されており、構造が単純で堅牢であり、ヴァイオリンやギターのように調弦(音あわせ)の必要も事実上ないので、年少者の入門楽器として適している。一方、吹奏楽器のため演奏しながら歌う「弾き語り」ができないことや、音の強弱をコントロールすることが難しいため曲想をつけづらい、つまり「弾く(吹く)」ことはできても「奏でる」ことは難しい。

また、小学校低学年でも演奏を習得し始められることの反動として、一部にはリコーダーをおもちゃ楽器として見下す風潮もあるが、その表現力を極める技能を修得するためにはそれなりの才能と努力を必要とすることは他のすべての楽器と共通である。特に音程を一定に保つ事が難しい楽器とされ、プロの奏者との違いが顕著に現れるところである。

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2009年04月10日 13:59に投稿されたエントリーのページです。

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